ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはアセチルコリンエステラーゼの抑制とSIRT1シグナル伝達の活性化を介して、記憶機能の障害を改善し、塩化カドミウム中毒の雄ラットの海馬損傷を軽減する

Quercetin improves the impairment in memory function and attenuates hippocampal damage in cadmium chloride-intoxicated male rats by suppressing acetylcholinesterase and concomitant activation of SIRT1 signaling

要旨:
塩化カドミウムが惹起する海馬の損傷と付随する記憶障害は、ケルセチンの共投与で防止できた。塩化カドミウムを投与したラットのモリスの水迷路および受動回避試験のスコアを著しく悪化させたが、ケルセチンを共投与すると正常値をキープした。また、海馬中の活性酸素・マロンジアルデヒド・GSH・SOD・IL-6・TNF-α・NF‑κB・脳由来神経栄養因子に関しても、塩化カドミウムによる異常値/ケルセチン共投与による正常値の関係を見出した。メカニズムとして、長寿因子SIRT1の活性化と、アセチルコリンエステラーゼの阻害を提唱した。