有毒なSOD1原線維とポリフェノールの相互作用: クルクミンおよびケルセチン
Mechanism of the interaction of toxic SOD1 fibril with two potent polyphenols: Curcumin and Quercetin
- 出典:
- Physical Chemistry Chemical Physics
- 2023
- 25
- 23081-23091
- DOI:
- 10.1039/D3CP02120C
- 要旨:
- 筋萎縮性側索硬化症は、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)の凝集が原因となる。クルクミンとケルセチンのSOD1凝集阻害作用は知られているが、そのメカニズムを分子動力学シミュレーションで考察した。A~H鎖から成るSOD1の8量体フィブリルのD鎖・E鎖・F鎖のトリプトファン残基は、ケルセチンとπ-πスタッキングを形成した。一方、クルクミンはB~H鎖の疎水性アミノ酸に結合して、フィブリルを安定化した。クルクミンはケルセチンに比べてファンデルワールス相互作用が大きいため、フィブリルにより強く結合した。