ケルセチンは網膜芽細胞腫細胞の増殖と浸潤を抑制し、miR-137/FNDC5軸を介して酸化ストレスに起因するアポトーシスを促進する
Quercetin suppresses retinoblastoma cell proliferation and invasion and facilitates oxidative stress-induced apoptosis through the miR-137/FNDC5 axis
- 出典:
- Environmental Research
- 2023
- 237
- 116934
- DOI:
- 10.1016/j.envres.2023.116934
- 要旨:
- 網膜芽細胞腫細胞株WER1-RB1およびY79にケルセチンを作用すると、濃度依存的に増殖と浸潤を抑制し、アポトーシスと酸化ストレスを誘導した。ケルセチンはmiR-137の発現を上方調節したが、miR-137の阻害はケルセチンの抗癌効果を打消した。さらに、フィブロネクチンIII型ドメイン含有蛋白質5(FNDC5、fibronectin type III domain-containing protein 5)が、miR-137の標的であることを見出した。MiR-137の過剰発現はWER1-RB1とY79の増殖と浸潤を抑制したが、FNDC5の過剰発現は反対の傾向を示した。ヌードマウスにWER1-RB1を移植したモデルにケルセチンを投与すると、用量依存的に腫瘍組織の成長を阻害した。