ミトコンドリアに関連するケルセチンの多面的な役割
The multifaceted role of quercetin derived from its mitochondrial mechanism
- 出典:
- Molecular and Cellular Biochemistry
- 2024
- 479
- 1985–1997
- DOI:
- 10.1007/s11010-023-04833-w
- 要旨:
- ケルセチンの抗癌作用は細胞毒性によって説明できるが、抗酸化作用に基づく神経保護は生存促進に寄与するなど、表現型には矛盾がある。ケルセチンはミトコンドリアの電子伝達系と酸化還元相互作用を発揮して、膜電位に影響を与える。その結果、ATP合成にも影響を及ぼして、細胞毒性の部分的な説明になる。ケルセチンはまた、酸化還元反応にて活性酸素種を生成し、酸化促進による細胞毒性を誘導するケースもある。本総説では、ミトコンドリアの電子伝達系との酸化還元相互作用に焦点を当て、ケルセチンの癌細胞への細胞毒性を論じる。