軽度アルツハイマー病の老化細胞除去療法: 第I相実現可能性試験
Senolytic therapy in mild Alzheimer’s disease: a phase 1 feasibility trial
- 著作名:
- Mitzi M. Gonzales
- Valentina R. Garbarino
- Tiffany F. Kautz
- Juan Pablo Palavicini
- Marisa Lopez-Cruzan
- Shiva Kazempour Dehkordi
- Julia J. Mathews
- Habil Zare
- Peng Xu
- Bin Zhang
- Crystal Franklin
- Mohamad Habes
- Suzanne Craft
- Ronald C. Petersen
- Tamara Tchkonia
- James L. Kirkland
- Arash Salardini
- Sudha Seshadri
- Nicolas Musi
- Miranda E. Orr
- 出典:
- Nature Medicine
- 2023
- 29
- 2481–2488
- DOI:
- 10.1038/s41591-023-02543-w
- 要旨:
- 初期のアルツハイマー病患者5名を対象とする、老化細胞除去剤(ケルセチンとダサチニブとの組合せ)の効果を検証した治験第I相。実現可能性の検証(proof of concept)としての位置づけのため、比較対照は設けていない。ケルセチン1000 mg/dayとダサチニブ100 mg/dayを2日間連続で投与し、続く12日間の無投薬期間を加えて1サイクルとした。これを6サイクル繰り返して、12週間の治療期間とした。血中および脳脊髄液中のケルセチンとダサチニブ濃度を、主要エンドポイントに設定した。全ての被験者で、血中のケルセチンおよびダサチニブ濃度が上昇し、前者は3.29~26.30 ng/mLで後者は12.7~73.5 ng/mLとなった。4名の脳脊髄液においてダサチニブが検出され、その濃度は0.281~0.536 ng/mLであり、血液/脳脊髄液の比率は0.422~0.919%となった。なお、全ての被験者の脳脊髄液にて、ケルセチンは検出されなかった。副次エンドポイントとしての認知機能と神経画像は、ベースラインから治療後まで有意な変化は見られなかった。脳脊髄液中のIL-6およびグリア線維性酸性蛋白質(GFAP)はベースラインから顕著に上昇し(P=0.008, 0.028)、中枢における老化関連サイトカインおよびケモカインの減少を示唆した。脳脊髄液中のアミロイドβ42は、有意差には至らなかったが増加傾向を示した(P=0.079)。