ネットワーク薬理学と動物実験に基づく、脊髄損傷の修復におけるケルセチンの効果と潜在的なメカニズムの探索
Exploration of the effect and potential mechanism of quercetin in repairing spinal cord injury based on network pharmacology and in vivo experimental verification
- 出典:
- Heliyon
- 2023
- 9
- e20024
- DOI:
- 10.1016/j.heliyon.2023.e20024
- 要旨:
- データベースで得た脊髄損傷におけるケルセチンの標的遺伝子は293種であった。遺伝子オントロジー解析の結果、標的遺伝子が関与するプロセスは、シグナル伝達・アポトーシスの抑制・蛋白質のリン酸化・薬物応答であった。京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes, KEGG)の解析結果は、標的遺伝子の細胞増殖・分化・アポトーシス・代謝経路への関与を示唆した。蛋白質間相互作用の解析により10種のコア遺伝子を特定し、分子ドッキングにて相当する蛋白質10種とケルセチンとの高い親和性を確認した。脊髄損傷のモデルラットにケルセチンを投与すると、PIK3R1とEGFRの発現を顕著に下方調節した。従って、ケルセチンの修復メカニズムを PI3K/AKTおよびEGFR/MAPKシグナル伝達の抑制と結論し、ネットワーク薬理学の知見と良好に一致した。