ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンとMC-LRトランスポーター蛋白質OATP1b2/OATP1B3との、ab initioモデリングと分子ドッキング

Ab initio modeling and ligand docking of quercetin and the MC-LR transporter protein OATP1b2/OATP1B3

要旨:
湖沼等に発生するアオコ由来の毒素ミクロシスチンLR(MC-LR)は、有機イオン輸送ポリペプチド(OATPs)に抱合して膜を透過する。OATP1b2およびOATP1B3のMC-LR結合部位とケルセチンとの親和性を分子ドッキングして、輸送阻害の可能性を検証した。初期条件として使用可能なOATPsに関する実験データはほとんどなく、ab initioにてモデリングを構築した。OATP1b2の分子全体とケルセチンとの結合エネルギーは−36.4 kcal/molと予測されたが、MC-LR結合部位の同値は−5.59 kcal/molに過ぎなかった。OATP1B3に関しても同様に、分子全体が−39.0 kcal/molでMC-LR結合部位は−15.6 kcal/molであった。