ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

薬剤耐性バイオフィルムの処置と慢性創傷治癒の促進のための、近赤外線活性化ケルセチンを基剤とする硫化銅ナノクラスターを含むナノゲル

NIR-activated quercetin-based nanogels embedded with CuS nanoclusters for the treatment of drug-resistant biofilms and accelerated chronic wound healing

要旨:
ケルセチンを含む炭化ナノゲルを新規に設計し、テンプレートとした。ケルセチンナノゲルの機能を最大化すべく種々の添加物を検討した結果、硫化銅ナノクラスターを見出した。得られた硫化銅ナノクラスター/ケルセチンナノゲルに近赤外線を照射すると、テンプレートのケルセチンナノゲルに比べて抗菌活性が125倍に向上した。硫化銅ナノクラスター/ケルセチンナノゲルは細胞外バイオフィルムマトリックスへに浸透して、糖尿病マウスの創傷におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌のバイオフィルムを根絶した。創傷治癒の過程では、炎症誘導サイトカイン(IL-1β)の発現抑制と、抗炎症因子(IL-10・TGF-β1)の発現促進を認めた。