ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンと5-FUを担持したキトサンナノ粒子はp53/p21軸を調節し、HCT116の細胞周期を停止してアポトーシスを誘導する

Quercetin and 5-Fu Loaded Chitosan Nanoparticles Trigger Cell-Cycle Arrest and Induce Apoptosis in HCT116 Cells via Modulation of the p53/p21 Axis

要旨:
イオンゲル法により、ケルセチンと5-FUを担持したキトサンナノ粒子を調製した。得られたナノ製剤の粒径は300~400 nmで、ほぼ球形であった。In vitro実験にて、36 時間にわたる薬物の持続放出を確認した。ナノ製剤の細胞毒性は、他の癌細胞と比べて、ヒト由来結腸癌細胞株HCT116で顕著であった。同細胞のG0/G1期が特異的に停止し、細胞内に活性酸素種が蓄積してアポトーシスを引き起した。この際にBcl2・サイクリンD1・Cdk4の下方調節と、Bax・p53・p21の上方調節を認めた。