ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

温虚血で損傷したブタ肝移植片における、ケルセチンおよびショ糖溶液の保存効果

Preservation Efficacy of a Quercetin and Sucrose Solution for Warm Ischemically Damaged Porcine Liver Grafts

要旨:
ブタの肝組織を30分間の温虚血の後、6時間の低温保存を行った。低温保存条件として、1) UW液のみ、2) ケルセチン(33.1 μM)とショ糖(0.1 μM)を含むUW液の2通りを比較した。低温保存の終了後、生理食塩水で希釈した自己血液を用いる再灌流モデルを適用して評価した。その結果、2)は1)に比べて顕著に、AST・ALT・乳酸脱水素酵素が減少し、形態の変化・うっ血・細胞質の空胞化も有意に少なかった。従って移植用の肝組織片の保存には、UW液へのケルセチンとショ糖の添加が、温度の変化を伴う虚血による損傷を最小限にする。