ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはTGF-β1/PI3K/AKT経路を遮断し、中皮間葉転換を阻害して、手術後の腹膜癒着を軽減する

Quercetin inhibits mesothelial-mesenchymal transition and alleviates postoperative peritoneal adhesions by blocking the TGF-β1/PI3K/AKT pathway

要旨:
中医学では紅花と丹参から成る注射にて、手術後の腹膜癒着を防止する。ケルセチンは紅花の主成分であるが、腹膜癒着の有効成分であるかを検証すべく、動物実験を行った。その結果、ケルセチンは用量依存的に、マウスの腹膜癒着を軽減し、中皮間葉転換のマーカーとTGF-β1の発現を減少した。中皮細胞を用いるvitro実験は、ケルセチンによるTGF-β1/PI3K/AKT経路の遮断を示した。分子ドッキングはケルセチンとTβR-IIとの安定な結合を予測し、TGF-β1が誘導する中皮間葉転換の抑制を示唆した。