ケルセチンはTGF-β1/PI3K/AKT経路を遮断し、中皮間葉転換を阻害して、手術後の腹膜癒着を軽減する
Quercetin inhibits mesothelial-mesenchymal transition and alleviates postoperative peritoneal adhesions by blocking the TGF-β1/PI3K/AKT pathway
- 著作名:
- Gan Li
- Yiwei Ren
- Enmeng Li
- Kai Deng
- Chao Qu
- Junxiang Zhang
- Li Zhang
- Xingjie Wang
- Jie Lian
- Huayou Zhou
- Zijun Wang
- Tianli Shen
- Xuqi Li
- Zhengdong Jiang
- 出典:
- Journal of Ethnopharmacology
- 2024
- 319
- 117242
- DOI:
- 10.1016/j.jep.2023.117242
- 要旨:
- 中医学では紅花と丹参から成る注射にて、手術後の腹膜癒着を防止する。ケルセチンは紅花の主成分であるが、腹膜癒着の有効成分であるかを検証すべく、動物実験を行った。その結果、ケルセチンは用量依存的に、マウスの腹膜癒着を軽減し、中皮間葉転換のマーカーとTGF-β1の発現を減少した。中皮細胞を用いるvitro実験は、ケルセチンによるTGF-β1/PI3K/AKT経路の遮断を示した。分子ドッキングはケルセチンとTβR-IIとの安定な結合を予測し、TGF-β1が誘導する中皮間葉転換の抑制を示唆した。