ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

FtMYB102とFtbHLH4との転写複合体は、韃靼そば(Fagopyrum tataricum)におけるルチンの蓄積を協働的に制御する

A transcriptional complex of FtMYB102 and FtbHLH4 coordinately regulates the accumulation of rutin in Fagopyrum tataricum

要旨:
韃靼そばにルチンが豊富に含まれるのは何故か、分子レベルで解明した。韃靼そばの新芽と苗木を比べると、ルチンの含量は新芽の方が多かった。新規に発見した転写因子であるFtMYB102とFtbHLH4は、新芽が苗木に成長する過程で減少しており、ルチンの含量と相関していた。FtMYB102とFtbHLH4は相互作用して複合体を形成し、さらに複合体はカルコン異性化酵素のプロモーターに直接結合して、その発現を促進した。カルコン異性化酵素はルチンの生合成に関与する鍵であり、同酵素の発現はルチンの生合成の促進を意味する。最後に、FtMYB102とFtbHLH4を根に導入した韃靼そばにて、根にルチンの蓄積を確認した。