ケルセチンは炎症性サイトカイン・脳神経伝達物質・アストロサイトの免疫反応性を調節して、シクロホスファミドが誘発した毒性への保護作用を発揮する
Biflavonoid quercetin protects against cyclophosphamide–induced organ toxicities via modulation of inflammatory cytokines, brain neurotransmitters, and astrocyte immunoreactivity
- 出典:
- Food and Chemical Toxicology
- 2023
- 178
- 113879
- DOI:
- 10.1016/j.fct.2023.113879
- 要旨:
- 抗癌剤シクロホスファミドを投与したラットは体重・摂餌量・抗酸化能が減少し、過酸化脂質が増大したが、ケルセチンが用量依存的に改善した。シクロホスファミドがもたらした血中の尿素・クレアチニン・IL-1β・TNF-αの上昇とIL-10の減少も、ケルセチンが回復した。ケルセチンはまた、高架式十字迷路試験・オープンフィールド試験・Y字迷路試験のスコアを顕著に改善して、シクロホスファミドに起因する不安感と記憶障害を改善した。大脳皮質におけるアセチルコリンエステラーゼ・ドーパミン・脳由来神経栄養因子の減少と、セロトニンの上昇も、ケルセチンが改善した。