腸内細菌叢と免疫間の相補性が、トリプルネガティブ乳癌に対するシクロホスファミドの抗腫瘍効果をケルセチンが増強する
Complementarity between Microbiome and Immunity May Account for the Potentiating Effect of Quercetin on the Antitumor Action of Cyclophosphamide in a Triple-Negative Breast Cancer Model
- 著作名:
- Andrea Manni
- Yuan-Wan Sun
- Todd D. Schell
- Tymofiy Lutsiv
- Henry Thompson
- Kun-Ming Chen
- Cesar Aliaga
- Junjia Zhu
- Karam El-Bayoumy
- 出典:
- Pharmaceuticals
- 2023
- 16
- 1422
- DOI:
- 10.3390/ph16101422
- 要旨:
- 4T1細胞を移植したトリプルネガティブ乳癌のモデルマウスに、ケルセチンとシクロホスファミドとの組合せを投与した。その結果、それぞれの単独投与時と比べて顕著に、腫瘍組織の成長を阻害した。ケルセチンはAkkermansia muciniphila(ムチン分解菌の一種)の増大を始めとする腸内細菌叢の改善により、抗PD-1療法のような癌の免疫療法を再現した。ケルセチンはNK細胞とT細胞を増大し、制御性T細胞を減少したが、シクロホスファミドとの組合せはこれらの免疫作用を増強した。一方で、シクロホスファミド単独では腸内細菌叢に影響を与えなかった。よって、ケルセチンによるシクロホスファミドの抗癌作用の増強は、腸内細菌叢と免疫媒介機構との相補性を示唆した。