スペクトル解析と分子動力学シミュレーションによるケルセチンおよびヒペロシドが示す、CYP2D6との相互作用に関する研究
Interactions studies of CYP2D6 with quercetin and hyperoside by spectral analysis and molecular dynamics simulationsInteractions studies of CYP2D6 with quercetin and hyperoside by spectral analysis and molecular dynamics simulations
- 出典:
- Luminescence
- 2024
- 39
- e4605
- DOI:
- 10.1002/bio.4605
- 要旨:
- ケルセチンとヒペロシドは、薬物代謝酵素であるCYP2D6の蛍光を消光し、ケルセチンの方が強い消光能力を示した。CYP2D6がケルセチンもしくはヒペロシドと形成する複合体のKa値は10^4のオーダーであり、中程度の結合力を示唆した。また、結合によりCYP2D6の二次構造が変化した。分子ドッキングの結果、CYP2D6のヘム付近に存在する部位における、水素結合とファンデルワールス力による結合であった。また、分子動力学シミュレーションの結果は、ケルセチン/ヒペロシドの結合が複合体を安定化し、CYP2D6が折り畳まれた緩い構造を示唆した。