ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

スペクトル解析と分子動力学シミュレーションによるケルセチンおよびヒペロシドが示す、CYP2D6との相互作用に関する研究

Interactions studies of CYP2D6 with quercetin and hyperoside by spectral analysis and molecular dynamics simulationsInteractions studies of CYP2D6 with quercetin and hyperoside by spectral analysis and molecular dynamics simulations

要旨:
ケルセチンとヒペロシドは、薬物代謝酵素であるCYP2D6の蛍光を消光し、ケルセチンの方が強い消光能力を示した。CYP2D6がケルセチンもしくはヒペロシドと形成する複合体のKa値は10^4のオーダーであり、中程度の結合力を示唆した。また、結合によりCYP2D6の二次構造が変化した。分子ドッキングの結果、CYP2D6のヘム付近に存在する部位における、水素結合とファンデルワールス力による結合であった。また、分子動力学シミュレーションの結果は、ケルセチン/ヒペロシドの結合が複合体を安定化し、CYP2D6が折り畳まれた緩い構造を示唆した。