ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ラットの急性脊髄損傷における、ケルセチンの抗酸化作用とp38MAPK/iNOSシグナル伝達経路との関係

Antioxidant effect of quercetin against acute spinal cord injury in rats and its correlation with the p38MAPK/iNOS signaling pathway

要旨:
脊髄損傷のモデルラットにケルセチンを投与すると、ポジコンとして使用したメチルプレドニゾロンと同等に、BBBスコアを指標とする運動機能を改善した。ケルセチンはp38MAPKのリン酸化を抑制し、iNOSの発現を阻害した。ケルセチンはまた、ラットのマロンジアルデヒドを低減し、SODの活性を向上した。p38MAPK阻害剤を投与すると、iNOSの発現阻害はケルセチンと同等であったが、抗酸化作用はケルセチンの方が優れていた。従ってケルセチンは、p38MAPK/iNOSシグナル伝達の抑制と、抗酸化作用の2通りの作用機序で脊髄損傷を軽減する。