ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

UGT89AC1が触媒するケルセチンのグルコシル化は、害虫の侵入時に誘導され、茶の木(Camellia sinensis)の摂食に対する耐性を強化する

UGT89AC1-mediated quercetin glucosylation is induced upon herbivore damage and enhances Camellia sinensis resistance to insect feeding

要旨:
茶の木(Camellia sinensis)の害虫である尺取虫(Ectropis grisescens)が侵入すると、茶の木に含まれるケルセチン配糖体が増加し、アグリコンは減少した。この際、9種類のグルコース転移酵素の内、UGT89AC1が最も強力に発現した。UGT89AC1の下方調節は、ケルセチン配糖体の蓄積を減少し、尺取虫への抵抗性を弱めた。また、ケルセチン配糖体は尺取虫の幼虫の成長を阻害し、ケルセチンは成長に影響を及ぼさなかった。よって、ケルセチンのグルコシル化は、茶の木にて尺取虫に対する防御的な役割を果たしている。