ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

キンセンカ(Calendula officinalis)の活性成分は、PI3KおよびERKシグナル伝達経路を介して、パーキンソン病における神経保護効果を発揮する

Active compounds from Calendula officinalis flowers act via PI3K and ERK signaling pathways to offer neuroprotective effects against Parkinson's disease

要旨:
ゼブラフィッシュの稚魚に1-メチル-4-フェニルピリジニウム塩(MPP)を投与して、パーキンソン病のモデルとした。キンセンカの花抽出物を投与すると、ドーパミン作動性ニューロン領域を顕著に長くし、正常の96.54%に達した。これは陽性薬剤の効果と同等であり、パーキンソン病を軽減する強力な可能性を示唆した。LC-MS/MSの結果、構成成分を3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸クロロゲン酸・イソラムネチン-3-O-グルクロン酸抱合体・カレンデュロシドEと決定した。パーキンソン病の標的である熱ショック蛋白質90αに対する親和性を、分子ドッキングで検証した。その結果、3,4-ジ-O-カフェオイルキナ酸が−6.93 kcal/mol、イソラムネチン-3-O-グルクロン酸抱合体が−6.51 kcal/mol、カレンデュロシドEが−3.03 kcal/molの結合エネルギーであった。これらの3化合物はヒト神経芽細胞株SH-SY5Yにて、PI3KおよびERKのリン酸化を促進した。