ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

キトサン活性膜に組込まれた没食子酸またはクマリンに対する、ルチンの相乗効果と拮抗効果: 放出速度および抗酸化作用への影響

Synergic versus Antagonist Effects of Rutin on Gallic Acid or Coumarin Incorporated into Chitosan Active Films: Impacts on Their Release Kinetics and Antioxidant Activity

要旨:
キトサンのフィルムに抗酸化剤(ルチン・没食子酸・クマリン)を担持して、抗酸化作用と放出特性を比較した。抗酸化作用は、ルチン(65.58±0.26%) > 没食子酸(44.82±3.73%) > クマリン(27.27±4.04%)の順序であった。ルチンはキトサンとの分子相互作用が存在するため、フィルムからの放出が遅く、没食子酸とクマリンは早い放出特性を示した。ルチンと没食子酸との組合せ、もしくはルチンとクマリンとの組合せをそれぞれ担持したフィルムでは、没食子酸とクマリンの放出を大幅に遅らせ、ルチンによる拮抗作用を示唆した。しかし、逆は成立せず、没食子酸とクマリンはルチンの放出挙動にほとんど影響しなかった。