ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

多機能性アルツハイマー病治療薬としての、ケルセチンと1,2,3-トリアゾールとのハイブリッド化合物

Quercetin-1,2,3-Triazole Hybrids as Multifunctional Anti-Alzheimer’s Agents

要旨:
ケルセチンの3位にアジド基もしくはアルキンを有するアルキル基を導入し、銅触媒の存在下で環状付加反応(クリックケミストリー)を行い、ケルセチンと1,2,3-トリアゾールとのハイブリッド化合物20種を合成した。ブチリルコリンエステラーゼ阻害活性を測定したところ、既存薬ガランタミンのIC50値37.6 μMを上回る11.2 μMの化合物を発見した(ケルセチンは18.2 μM)。最強活性のハイブリッド化合物は、過酸化水素で刺激したMCF-7細胞の酸化ストレスと損傷も軽減し、アルツハイマー病における多機能性リガンドと見なすことが出来る。