ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

In virtoおよびin silicoにおける、ピロリ菌・結腸癌・溶血・ブチリルコリンエステラーゼに対するルチンおよびルチンナノ結晶の阻害効果

Inhibitory potential of rutin and rutin nano-crystals against Helicobacter pylori, colon cancer, hemolysis and Butyrylcholinesterase in vitro and in silico

要旨:
ルチンの水溶性の低さを解決すべく、超音波照射により平均粒径が27 nmのナノ結晶を調製した。ピロリ菌に対する阻止円の大きさと最小発育阻止濃度は、ナノ結晶が22.67 mm、7.8 μg/mLで、通常のルチンが18 mm、62.5 μg/mLであった。ヒト由来結腸癌細胞株HT-29に対するIC50値は、ナノ結晶が168.23±1.15 μg/mLで、ルチンが184.96±4.33 μg/mLであった。600 μg/mLにおける溶血の阻止率はナノ結晶が72.2%で、ルチンが63.6%であった。ブチリルコリンエステラーゼに対するIC50値は、ナノ結晶が12.74 μg/mLで、ルチンが18.15 μg/mLであった。分子ドッキングの結果、ピロリ菌の4HI0蛋白質、HT-29の2HQ6蛋白質、ブチリルコリンエステラーゼに対するルチンの結合エネルギーはそれぞれ、−7.45, −7.69, −9.59 kcal/molであった。