ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

pH感受性のケルセチンナノ粒子は結腸への特異的な送達により、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)がマウスに誘発した大腸炎を改善する

pH Sensitive Quercetin Nanoparticles Ameliorate DSS-Induced Colitis in Mice by Colon-Specific Delivery

要旨:
N-コハク酸キトサンとアルギン酸ナトリウムから成るナノ粒子にケルセチンを担持して、架橋構造を構築した。In vitro薬物放出アッセイにて、得られたナノ製剤のpH感受性を確認した。デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)で惹起した潰瘍性大腸炎のモデルマウスにナノ製剤を投与すると、腸内細菌叢とその代謝物である短鎖脂肪酸を調節して、腸炎を大幅に軽減した。ナノ製剤は結腸の炎症性浸潤を軽減し、TNF-α・IL-1β・IL-6・MPOを減少し、腸バリアの完全性を回復した。