ケルセチンはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSarAを標的にして、バイオフィルムの形成を軽減する
Quercetin targets SarA of methicillin-resistant Staphylococcus aureus to mitigate biofilm formation
- 出典:
- Microbiology Spectrum
- 2024
- 12
- e02722-23
- DOI:
- 10.1128/spectrum.02722-23
- 要旨:
- SarAは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のバイオフィルム形成にて鍵となる蛋白質である。天然物よりSarAの阻害物質をバーチャルスクリーニングしたところ、ケルセチンがヒットした。分子ドッキングと分子動力学シミュレーションは、SarAの2量体の形成部位へのケルセチンの安定な結合を示唆した。実際、ケルセチンは4 μg/mLの濃度でMRSAのバイオフィルム形成を阻害し、細胞外物質の生成とeDNAの濃度上昇を抑制した。また、SarAの発現低下と、下流遺伝子の転写レベルの低下も確認した。