ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

結核菌(H37Rv)由来Eis(Enhanced Intracellular Survival)蛋白質における、アミノグリコシドアセチル転移酵素活性のケルセチンによる標的化

Targeting Aminoglycoside Acetyltransferase Activity of Mycobacterium tuberculosis (H37Rv) Derived Eis (Enhanced Intracellular Survival) Protein with Quercetin

要旨:
結核菌が分泌するeis(enhanced intracellular survival)蛋白質は、GNATファミリーに分類されるアミノグリコシドアセチル転移酵素である。例えばカナマイシンはeis蛋白質によってアセチル化され、その薬効を失う。分子ドッキングによりeis阻害剤をバーチャルスクリーニングしたところ、ケルセチンの結合エネルギーは−8.379 kcal/molであり、最も高い親和性であった。ケルセチンの芳香環部分は、eis蛋白質の正荷電したアルギニン残基と、特異的なπ-カチオン相互作用を示した。ケルセチンは濃度依存的に、eis蛋白質のアミノグリコシドアセチル転移酵素の活性を低下し、潜在的な阻害剤であることが判明した。