ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

健脾滋腎瀉火方(Jianpi Zishen Xiehuo Formula)の主成分であるケルセチンはSTAT3の活性化を阻害して、M1マクロファージの極性化と血小板の食作用を抑制する

Quercetin, a key active ingredient of Jianpi Zishen Xiehuo Formula, suppresses M1 macrophage polarization and platelet phagocytosis by inhibiting STAT3 activation based on network pharmacology

要旨:
健脾滋腎瀉火方(Jianpi Zishen Xiehuo Formula)は、中医学にて特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療に用いられている。ネットワーク薬理学の解析結果は、健脾滋腎瀉火方とITPに共通する遺伝子の内、標的蛋白質の上位3件をSTAT3・PKB/AKT・c-JUNと特定した。また、健脾滋腎瀉火方の主成分はケルセチンであり、3件の標的蛋白質との高い親和性を分子ドッキングにて確認した。リポ多糖で刺激したマクロファージにケルセチンを投与すると、TNF-αとIL-6を軽減して、ITPの特徴であるM1/M2不均衡を改善すると共に、STAT3のリン酸化を抑制した。ケルセチンはまた、抗体でオプソニン化した血小板の食作用(これもITPの特徴)を大幅に減少した。