胃炎にてケルセチンはSP1転写因子/リポカリン2軸を調節して、ピロリ菌が誘発した胃上皮細胞の損傷を改善する
Quercetin ameliorates Helicobacter pylori-induced gastric epithelial cell injury by regulating specificity protein 1/lipocalin 2 axis in gastritis
- 出典:
- Journal of Applied Toxicology
- 2024
- 44
- 641-650
- DOI:
- 10.1002/jat.4566
- 要旨:
- ピロリ菌に感染したヒト由来胃粘膜上皮細胞株GES-1に、ケルセチンを投与した。ピロリ菌がGES-1にもたらしたアポトーシス・炎症・マクロファージのM1極性化は、ケルセチンが大幅に軽減した。ケルセチンはまた、ピロリ菌に感染すると過剰発現するリポカリン2(LCN2)の発現も抑制した。LCN2のノックダウンはピロリ菌によるGES-1の損傷とマクロファージM1極性化を逆転し、LCN2の強制発現はケルセチンの保護効果を打消した。SP1転写因子(SP1)はLCN2に結合して転写を促進するが、SP1の過剰発現もケルセチンの効果を打消した。よって、ケルセチンはSP1/LCN2軸を阻害して、マクロファージM1極性化を抑制した。