ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンはNrf2/HO-1シグナル伝達経路を調節しフェロトーシスを阻害して、虚血性脳損傷を軽減する

Quercetin attenuates cerebral ischemic injury by inhibiting ferroptosis via Nrf2/HO-1 signaling pathway

要旨:
Vivo: ラットに中大脳動脈閉塞再灌流(MCAO)を施して、虚血性脳損傷のモデルとした。その結果、脳内のマロンジアルデヒドと活性酸素種が上昇し、鉄の蓄積が増え、SODとグルタチオンは減少した。これらはケルセチンの投与で軽減され、ケルセチンの抗酸化作用とフェロトーシスの抑制を示唆した。ケルセチンはまた、MCAOがもたらした脳梗塞を大幅に縮小した。Vitro: 過酸化水素もしくはエラスチンで刺激したマウス由来海馬神経細胞HT22にケルセチンを投与すると、GPX4とFTH1の発現を促進して、フェロトーシスを阻害した。同時にケルセチンはNrf2の核移行を促進して、下流の抗酸化蛋白質を活性化した。Nrf2阻害剤の存在下ではケルセチンの作用が打消され、Nrf2/HO-1シグナル伝達経路の活性化が根底にあることを明らかにした。