ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

黄斑変性を予防する新規リポフェノールケルセチン誘導体: 前臨床薬理学的評価のための静脈注射および経口製剤

A novel lipophenol quercetin derivative to prevent macular degeneration: Intravenous and oral formulations for preclinical pharmacological evaluation

要旨:
既にvitro試験で加齢黄斑変性やスターガルト病の治療薬候補として有望な結果が得られている、ケルセチン誘導体3-O-docosahexaenoyl-7-O-isopropylquercetinの大量合成法を確立した。得られたリポフェノールは水溶性が低いため、ナノミセルを用いる静脈注射用製剤と脂質ナノカプセルを用いる経口製剤とに、それぞれ加工した。前者の平均粒径は16 nmで薬物担持容量は95%であり、後者は25 nmと96%であった。急性光ストレスで惹起した加齢黄斑変性のモデルマウスに、前者30 mg/kgの静脈注射もしくは後者100 mg/kgの経口投与は、光受容体の顕著な保護効果を示した。