糖尿病のモデルラットにて、ケルセチンが結合した超常磁性酸化鉄ナノ粒子は認知障害に関連するSIRT1/p66Shc経路に影響を与える
In diabetic male Wistar rats, quercetin-conjugated superparamagnetic iron oxide nanoparticles have an effect on the SIRT1/p66Shc-mediated pathway related to cognitive impairment
- 出典:
- BMC Pharmacology and Toxicology
- 2023
- 24
- 81
- DOI:
- 10.1186/s40360-023-00725-3
- 要旨:
- 超常磁性酸化鉄ナノ粒子をデキストランでコーティングし、デキストランのカルボン酸残基にケルセチンをエステル結合した。ストレプトゾトシンで惹起した糖尿病のモデルラットに、超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)・フリーのケルセチン(Q)・ケルセチンが結合した超常磁性酸化鉄ナノ粒子(QSPION)を、それぞれ投与した。糖尿病で低下した海馬中のSIRT1の発現は、SPION < Q < QSPIONの順序で有意に増大し、特にQSPIONにおいてはストレプトゾトシンを投与しない正常群を上回る発現量であった。また、糖尿病で上昇した海馬中のp66Shc・カスパーゼ-3・PARP1の発現は、SPION < Q < QSPIONの順で低減した。よって、QSPIONはSIRT1/p66Shcが関与する経路を調節して、糖尿病における海馬の酸化ストレスを軽減した。