ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ビンロウジュ種子由来のナノセルロースを用いる、亜鉛イオンとケルセチンとを統合した送達システムの合成と物性評価

Synthesis and characterization of zinc ion-integrated quercetin delivery system using areca nut seeds nanocellulose

要旨:
廃棄物活用の一環として、ビンロウジュ(檳榔樹)の種子から得られるナノセルロースが、ケルセチンと安定な錯体を形成することを見出した。この錯体に亜鉛イオンを組込んで、亜鉛とケルセチンを含むセルロースナノファイバー(CNF-Zn-QT)を合成した。比較のために、亜鉛を含まないケルセチンセルロースナノファイバー(CNF-QT)も別途に合成した。CNF-Zn-QTのDPPHラジカル消去能は、CNF-QTに比べて高く、違いは亜鉛の存在に起因した。CNF-Zn-QTはまた、大腸菌と黄色ブドウ球菌に抗菌活性を示し、ケルセチンを持続的に放出した。