ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン: in vitroにおける緑膿菌エラスターゼBの有望な病原性阻害剤

Quercetin: a promising virulence inhibitor of Pseudomonas aeruginosa LasB in vitro

要旨:
エラスターゼB(LasB)は、緑膿菌が分泌する細胞外病原性因子である。緑膿菌の最小発育阻止濃度(256 μg/mL)以下の濃度でケルセチンは、LasBの産生と活性を阻害し、遺伝子の転写を抑制した。緑膿菌の臨床株では、病原性遺伝子lasBとクオラムセンシング遺伝子(lasI・lasR・rhlI・rhlR)の間に有意な正の相関関係を示した。また、クオラムセンシング遺伝子が変異(lasIのみ/lasIとrhlIの2か所)した株では、lasB 遺伝子の発現とLasB活性が著しく欠損していた。ケルセチンは、これらクオラムセンシング遺伝子の発現を下方調節した。