ケルセチンを含むナノリポソームは、CD44を標的として前立腺癌細胞の増殖を抑制し、癌幹細胞を根絶する
Potent Suppression of Prostate Cancer Cell Growth and Eradication of Cancer Stem Cells by CD44-targeted Nanoliposome-quercetin Nanoparticles
- 出典:
- Journal of Cancer Prevention
- 2023
- 28
- 160-174
- DOI:
- 10.15430/JCP.2023.28.4.160
- 要旨:
- ヒアルロン酸で修飾したナノリポソームに封入効率96.9%でケルセチンを担持して、粒径134 nmのナノ粒子を得た。フリーのケルセチンはヒト由来前立腺癌細胞株PC-3の生存率を16%減少したが、得られたナノ粒子は60%減少した。この際、Baxおよびカスパーゼを増大し、Bcl-2は減少して、PC-3にアポトーシスを誘導した。フリーのケルセチンと比較してナノ粒子は、E-カドヘリンの発現が顕著であり、フィブロネクチン・N-カドヘリン・MMP-9の発現は減少した。PC-3が凝集したスフェロイドをナノ粒子で処置するとCD44細胞が減少して、CD44+を過剰発現する癌幹細胞の死滅を示唆した。