ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

エレクトロスピニング法で調製した複合ナノ構造体に含まれるケルセチンとタモキシフェンクエン酸塩は、抗癌作用を相乗的に向上する

Improved synergistic anticancer action of quercetin and tamoxifen citrate supported by an electrospun complex nanostructure

要旨:
三流体エレクトロスピニン法により三室複合ナノファイバーを調製して、ケルセチンとタモキシフェンクエン酸塩との同時送達を可能にした。IRスペクトルとX線回折の結果、モデル薬物と賦形剤ポリマーとが良好な適合性を有し、非晶質状態で存在した。ラットを用いる薬物動態試験にてナノファイバーは、ケルセチンとタモキシフェンの血中濃度時間曲線下面積(AUC)を、フリーの薬物投与時の1.2倍および2.1倍に向上した。乳癌細胞株4T1を移植したマウスモデルにナノファイバーを投与すると、フリーのケルセチンとタモキシフェンクエン酸塩との組合せ投与時と比べ、腫瘍組織の成長を顕著に阻害した。