ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチン・L-エルゴチオネイン・H89が、凍結保存したウマ精液における精子の運動性・運動学的パターン・原形質膜の機能性・体外異種受精能力に及ぼす影響

Effect of quercetin, L-ergothioneine and H89 on sperm motility and kinematic pattern, plasma membrane functionality and in vitro heterologous fertilizing capacity of cryopreserved equine semen

要旨:
精液の凍結保存は、精子に損傷・早期老化・生存率と受精能力の低下をもたらす。ウマの精液を凍結保存する際の、ケルセチン・エルゴチオネイン・H89(プロテインキナーゼA特異的阻害剤)の影響を検証した。ケルセチンは精子の曲線速度を低下し、頭部振動数(精子が1秒間に頭部を振る回数)を増大したが、ケルセチンとH89との組合せは、総運動性・進行性運動性・曲線速度・hyperactivation(精子尾部の不規則なうねり)を減少した。エルゴチオネインとH89との組合せは、曲線速度と首振り運動の振幅を減少した。精子の膜機能と受精能力に関しては、3添加物や組合せによる有意差を認めなかった。