ケルセチンはSARS-CoV-2感染を阻害し、ウィルス由来スパイク蛋白質とヒト由来ACE2との共発現細胞による合胞体の形成を防止する
Quercetin inhibits SARS-CoV-2 infection and prevents syncytium formation by cells co-expressing the viral spike protein and human ACE2
- 出典:
- Virology Journal
- 2024
- 21
- 29
- DOI:
- 10.1186/s12985-024-02299-w
- 要旨:
- SARS-CoV-2に感染したベロ細胞およびヒト由来結腸癌細胞株Caco-2にてケルセチンは、同ウィルスの増殖を阻害し、そのIC50値は166.6と145.2 μMであった。合胞体の形成はSARS-CoV-2伝播における重要な役割であるが、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質とヒトACE2とが共発現したヒト胎児由来腎細胞HEK293にて、合胞体のモデルを確立した。同モデルにおける合胞体形成を阻害するケルセチンのIC50値は156.7 μMであった。合胞体の形成に関与するプロテアーゼであるフリンもケルセチンが阻害し、そのIC50値は116 μMであった。