ルッコラに含まれるフラボノールの定量分析・分子ドッキング・皮膚バリア機能
Quantitative Analysis and Molecular Docking Simulation of Flavonols from Eruca sativa Mill. and Their Effect on Skin Barrier Function
- 出典:
- Current Issues in Molecular Biology
- 2024
- 46
- 398-408
- DOI:
- 10.3390/cimb46010025
- 要旨:
- ルッコラを70%エタノールで抽出し、粗抽出物をヘキサン・クロロホルム・酢酸エチル・ブタノール・水の5画分に分配した。抗酸化活性は酢酸エチル画分が最も高く、フラボノイド含量と呼応していた。酢酸エチル画分をヒト角化細胞HaCaTに作用すると、コーニファイドエンベロープ(皮膚の最外層を構成する蛋白質の膜状構造)の形成を有意に増加し、PPAR-αを活性化して、皮膚バリアの改善を示唆した。酢酸エチル画分はまた、リポ多糖で刺激したRAW264.7にて一酸化窒素とIL-6を顕著に減少した。酢酸エチル画分の構成成分は、単糖もしくは2糖を有するフラボノイド配糖体が中心であり、ケンフェロール-3-グルコシド(7.4%)、ケルセチン-3-グルコシド(2.3%)、イソラムネチン-3-グルコシド(1.4%)が上位3成分であった。分子ドッキングの結果、3化合物は全て PPAR-αと高い親和性を示した。