ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケロイド線維芽細胞の培養における、リン酸化されたp38・Smad7・Smad2/3の核移行とI型コラーゲンに対するケルセチンの影響

The effect of quercetin on phosphorylated p38, Smad7, Smad2/3 nuclear translocation and collagen type I of keloid fibroblast culture

要旨:
ケルセチン(0, 5, 10, 20 μg/mL)の存在下で、ケロイド(外傷や手術後に皮膚が赤く盛り上がる瘢痕組織)由来の線維芽細胞を培養した。10 μg/mLの濃度では、対照と比べてリン酸化されたp38の発現が低下した。Smad7の発現の低下は10および20 μg/mL濃度で見られ、Smad2/3の発現の低下は20 μg/mL濃度で見られた。また、濃度とは関係なくケルセチンの存在は、Smad2/3は核中に比べて細胞質中濃度が顕著に高くなり、Smad2/3の核移行の阻害を示唆した。従って、ケルセチンはp38のリン酸化とSmad2/3の核移行を阻害して、ケロイドの発達を抑制する。