感受性および耐性ヒト乳癌細胞株MCF7における、ドキソルビシンの細胞毒性に及ぼすケルセチンの影響
Effect of quercetin on doxorubicin cytotoxicity in sensitive and resistant human MCF7 breast cancer cell lines
- 出典:
- Biomedical Reports
- 2024
- 20
- 58
- DOI:
- 10.3892/br.2024.1745
- 要旨:
- ヒト由来乳癌細胞株MCF-7を用いてドキソルビシン耐性株の作成法を確立し、IC50値の変化(0.133→4 µM)を確認した。ケルセチンは、野生型と耐性型とで異なる挙動を示した。野生型におけるドキソルビシンのIC50値は、ケルセチンと組合せると低下した。耐性型では、低濃度のケルセチンは細胞生存率を増加し、高濃度でのみドキソルビシンの細胞毒性を増強した。ケルセチンは野生型にアポトーシスと壊死を誘導したが、耐性型では壊死が優勢であった。細胞遊走遺伝子であるSNAI2とPLAUおよびアポトーシス経路遺伝子であるCSF1の発現を、ケルセチンが大幅に低下した。