ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

抗糖尿病活性を持つα-グルコシダーゼ阻害剤としてのケルセチン誘導体

Quercetin analogs as α-glucosidase inhibitors with antidiabetic activity

要旨:
α-グルコシダーゼは糖尿病の治療標的であるが、ケルセチンが持つ同酵素の阻害作用を増強すべく、全23種の誘導体を合成した。その中の一つであるQ7は、トリフルオロメチル基を含む置換基を8位に導入した結果、α-グルコシダーゼ阻害作用がアカルボース(既存のII型糖尿病治療薬)に匹敵した。糖尿病のモデルマウスにQ7を投与すると、空腹時血糖値を低下し、既存薬のメトホルミンを上回る薬効を示した。Q7はまた、腸内の短鎖脂肪酸を増大したが、同時に炭水化物の蓄積を引き起こして、腸内細菌叢の機能を損った。