ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

ケルセチンと結合した二金属ナノザイムによる、効率的なラジカル消去と急性腎障害の治療

A bimetallic nanozyme coordinated with quercetin for efficient radical scavenging and treatment of acute kidney injury

要旨:
ルテニウム-白金ナノ粒子にケルセチンを担持して、新規ナノザイム(酵素の様な性質を持つナノ材料)を設計した。得られたナノザイムは、ケルセチンやルテニウム-白金ナノ粒子の単独使用時と比べて顕著に、ABTSおよびDPPHフリーラジカル消去活性が向上した。過酸化水素で刺激したヒト胎児由来腎細胞株HEK293にナノザイムを投与すると、活性酸素種を低減してアポトーシスを阻害した。急性腎障害のモデルマウスにナノザイムを投与すると、生存率を大幅に改善した。ナノザイムは腎組織のHO-1と8-OHdGを低下して抗酸化作用を示すとともに、血中のクレアチニンと尿素窒素を低減した。