ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

TRPV1が媒介するP2X7/NLRP3シグナル伝達経路を遮断してM1極性マクロファージを減少させる、ラットの変形性関節症に有望なケルセチン

Quercetin as a promising intervention for rat osteoarthritis by decreasing M1-polarized macrophages via blocking the TRPV1-mediated P2X7/NLRP3 signaling pathway

要旨:
IL-1βで刺激したラットの軟骨細胞と、リポ多糖で刺激したラット骨髄由来のマクロファージとを共培養して、両者が共存する変形性関節症のシミュレーションとした。ケルセチンの投与は、軟骨細胞におけるカルシウムの流入とATP放出を阻害して、TRPV1とP2X7の下方調節を示した。ケルセチンはまた、マクロファージのM1極性化と遊走を抑制して、抗炎症作用を示した。しかし、TRPV1の活性化・P2X7の活性化ともに、ケルセチンの働きを打消した。一方、P2X7またはNLRP3のノックダウンは、ケルセチン投与と同様の挙動を示した。以上の結果、ケルセチンによる変形性関節症の緩和の根底には、TRPV1が媒介するP2X7/NLRP3シグナル伝達経路の抑制がある。