鉄過剰とガンマ線の照射がラットに誘発した顎下腺毒性は、ヘスペリジンとルチンが軽減する
Iron overload induced submandibular glands toxicity in gamma irradiated rats with possible mitigation by hesperidin and rutin
- 出典:
- BMC Pharmacology and Toxicology
- 2024
- 25
- 22
- DOI:
- 10.1186/s40360-024-00744-8
- 要旨:
- ラットに100 mg/kgの鉄を週5回、4週間に渡って継続投与した後、5 Gyのガンマ線を照射した。その結果、顎下腺の出血と腺房細胞質の空胞化が見られ、抗酸化遺伝子の下方調節と、炎症誘導性遺伝子と血管新生遺伝子の上方調節が顕著であった。さらに、PIK3・AKT・mTORのmRNAの過剰発現は、mTOR経路の活性化を示唆した。しかし、鉄と同時にルチンもしくはヘスペリジンを投与したラットは、顎下腺毒性が軽減された。ルチンとヘスペリジンは、Nrf-2・SOD・BRCA1のmRNAを上方調節し、TNF-α・IL-1β・VEGF・PIK3・AKT・mTORのmRNAは下方調節した。従って、抗酸化作用と抗炎症作用を発揮し、血管新生とmTOR経路を抑制した。