ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

キトサン・ポリビニルアルコール・ケルセチンが層状を成す、持続可能で活性な機能を有する食品包装材料の開発

Development of Sustainable and Active Food Packaging Materials Composed by Chitosan, Polyvinyl Alcohol and Quercetin Functionalized Layered Clay

要旨:
現存の食品包装材料には生分解性・抗酸化作用・抗菌作用の機能がないことを鑑みて、生分解性のキトサンおよびポリビニルアルコールと、抗酸化かつ抗菌性のケルセチンの3成分が層を成すナノシートを考案した。得られたナノシートのIRスペクトルは、ケルセチンとキトサン/ポリビニルアルコールマトリックスとの間の強い相互作用によるポリビニルアルコールの不動化を示唆し、熱分析におけるガラス転移温度と溶融温度の上昇を支持した。ナノシートの引張強度は58.9 MPaであり、ケルセチンを含まないキトサン/ポリビニルアルコールマトリックスに比べて40.9%増強された。ナノシートはまた、UV遮断100%・大腸菌に対する抗菌活性95.5%・DPPHラジカル消去58.9%の各機能を有していた。