マクロファージにおけるSLPIが媒介する抗炎症作用はイソラムネチンが活性化して、シスプラチンが誘発したマウスの急性腎障害を改善する
Isorhamnetin ameliorates cisplatin-induced acute kidney injury in mice by activating SLPI-mediated anti-inflammatory effect in macrophage
- 出典:
- Immunopharmacology and Immunotoxicology
- 2024
- 46
- 319-329
- DOI:
- 10.1080/08923973.2024.2329621
- 要旨:
- Vivo: シスプラチンで惹起した急性腎障害のモデルマウスに、イソラムネチンを投与した。イソラムネチンは腎組織のIL-1β・IL-6・TNF-αを低減して、病変を大幅に緩和した。Vitro: リポ多糖で刺激したマクロファージRAW264.7においても同様に、イソラムネチンはIL-1β・IL-6・TNF-αを低減して抗炎症作用を発揮した。イソラムネチンは、抗炎症因子である分泌型白血球プロテアーゼ阻害剤(secretory leukocyte peptidase inhibitor, SLPI)の発現を活性化して、RAW264.7のM2極性化を促進した。siRNAにてSLPIをサイレシングしたRAW264.7では、イソラムネチンの抗炎症作用が打消された。