ケルセチンはシスプラチンが誘発したミトコンドリアのアポトーシスを軽減し、PI3K/Aktを介して周皮細胞の酸化ストレスを阻害し、血液迷路関門の透過性を改善する
Quercetin attenuates cisplatin-induced mitochondrial apoptosis via PI3K/Akt mediated inhibition of oxidative stress in pericytes and improves the blood labyrinth barrier permeability
- 出典:
- Chemico-Biological Interactions
- 2024
- 393
- 110939
- DOI:
- 10.1016/j.cbi.2024.110939
- 要旨:
- Vivo: シスプラチンで惹起した聴器毒性のモデルマウスに、ケルセチンを投与した。ケルセチンは聴性脳幹反応のスコアを改善し、HE染色による病変の範囲を大幅に縮小した。Vitro: 周皮細胞をシスプラチンで刺激して、聴器毒性の細胞モデルとした。予めケルセチンを投与した細胞では、PI3K/AKTの活性化とミトコンドリアのアポトーシスの低下を認めた。その結果、酸化ストレスが緩和され、シスプラチンがもたらした血液迷路関門の透過性を改善した。PI3K/AKT特異的阻害剤の存在下では、ケルセチンの保護作用が打消され、PI3K/AKTシグナル伝達をケルセチンが活性化するメカニズムを明らかにした。