ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

生体材料向けにケルセチンを用いて、ポリビニルアルコール足場を容易に架橋する

Facile crosslinking of PVA scaffolds using quercetin for biomaterial applications

要旨:
ポリビニルアルコール(PVA)は水溶性・生分解性・低毒性を有する優れた素材であるが、機械的強度が弱いため生物医学の用途には制限がある。ケルセチンとPVAとの水素結合による相互作用に着目し、ケルセチンを添加して架橋構造を構築すれば、強度の向上が期待できる。配合比率を検討した結果、PVA/ケルセチン=1:0.02の比率が、架橋効率と安定性を最大化した。得られたPVA/ケルセチン足場の架橋構造は、IRスペクトルにて確認した。PVA/ケルセチン足場はマウス由来線維芽細胞L929に毒性を示さず、生体適合性を認めた。