ケルセチンは海馬のインスリンシグナル伝達経路を調節して、予測不可能で慢性的なストレスがマウスに誘発した行動不全を改善する
Quercetin ameliorates chronic unpredicted stress-induced behavioral dysfunction in male Swiss albino mice by modulating hippocampal insulin signaling pathway
- 出典:
- Physiology & Behavior
- 2017
- 182
- 10-16
- DOI:
- 10.1016/j.physbeh.2017.09.019
- 要旨:
- 予測不可能で慢性的なストレスを21日間与えたマウスは、歩行不全・うつ・認知障害を誘発した。海馬においては、インスリンシグナル伝達と神経新生が損なわれた。ストレス負荷時のケルセチン投与は、ストレスで上昇したインスリンおよびインスリン受容体を低下し、ダブルコルチンの発現を促進して、インスリンシグナル伝達と神経新生を回復した。その結果、尾懸垂試験と強制水泳試験の2種類の評価系で、うつ状態の顕著な改善を認めた。ケルセチン投与はまた、歩行不全と認知障害も改善した。