PLGA-PEGナノ粒子によるパクリタキセル・アトバコン・ケルセチンの同時送達は、エネルギー代謝を調節して卵巣癌の多剤耐性を逆転する
Co-delivery of Paclitaxel/Atovaquone/Quercetin to regulate energy metabolism to reverse multidrug resistance in ovarian cancer by PLGA-PEG nanoparticles
- 著作名:
- Qingyu Lu
- Wenhao Gao
- Zhenzhen Chen
- Zhihong Liu
- Jie Wang
- Lingjun Zeng
- Xiaomu Hu
- Enqin Zheng
- Qian Zhang
- Hongtao Song
- 出典:
- International Journal of Pharmaceutics
- 2024
- 655
- 124028
- DOI:
- 10.1016/j.ijpharm.2024.124028
- 要旨:
- 卵巣癌の薬物治療がもたらす多剤耐性の本質は、P糖蛋白質による薬物流出であり、ATPから供給されるエネルギーを必要とする。そこで、エネルギー源の遮断が多剤耐性を克服する仮説を立て、癌細胞の増殖を阻害するパクリタキセル・ミトコンドリアのATP合成を阻害するアトバコン・解糖系を阻害するケルセチンの同時送達を考案した。3剤を担持したPLGA-PEGナノ粒子は、タキソール耐性を獲得したヒト由来卵巣癌細胞株A2780のATPを減少して、エネルギー代謝を阻害した。その結果、P糖蛋白質の活性が低下して、抗癌作用が回復した。同細胞を移植したマウスモデルにおいても、3剤を担持したナノ粒子製剤の投与は、腫瘍組織の成長阻害とP糖蛋白質の発現低下を認めた。