ケルセチンは海馬の酸化ストレスと炎症ストレスを軽減して、予測不可能で慢性的なストレスがマウスに誘発した行動不全を予防する
Quercetin prevents chronic unpredictable stress induced behavioral dysfunction in mice by alleviating hippocampal oxidative and inflammatory stress
- 出典:
- Physiology & Behavior
- 2017
- 171
- 69-78
- DOI:
- 10.1016/j.physbeh.2017.01.006
- 要旨:
- 予測不可能で慢性的なストレスを21日間与えたマウスは、歩行不全・不安・うつ・認知障害を誘発した。海馬においては、酸化ストレスと炎症ストレスのマーカーが上昇した。ストレス負荷時のケルセチン投与は、ストレスで上昇した海馬内の酸化ストレスのマーカー(チオバルビツール酸反応性物質・一酸化窒素)と炎症性サイトカイン(IL-6・TNF-α・IL-1β・COX-2)を減少した。その結果、高架式十字迷路試験とオープンフィールド試験にて不安感の緩和を認めた。また、スクロース嗜好試験の結果は、うつ状態の顕著な改善を示唆した。ケルセチン投与はまた、歩行不全と認知障害も改善した。