ケルセチン・フラボノイド 論文・文献データベース

米糠から抽出したセルロースナノ結晶が安定化し、ケルセチンを多く含むピッカリング乳濁ゲルの安定性と生体アクセス性

Stability and Bioaccessibility of Quercetin-Enriched Pickering Emulsion Gels Stabilized by Cellulose Nanocrystals Extracted from Rice Bran

要旨:
ケルセチンの送達効率を改善すべく、米糠から抽出したセルロースナノ結晶を用いるピッカリング乳化法(界面活性剤ではなく固体微粒子を添加する乳化法)を検討した。ピッカリング乳濁液・ケルセチンを含むピッカリング乳濁液・ピッカリング乳濁ゲル・ケルセチンを含むピッカリング乳濁ゲルの4通りを調製したが、いずれも弾性のあるネットワーク構造と良好な安定性を示した。また、ケルセチンの添加は、粒子サイズの縮小と安定性の向上に寄与した。ケルセチン添加によるラジカル消去能の増大は、乳濁液で46.92%、乳濁ゲルで3.59%であった。ケルセチンの封入効率は乳濁ゲルの方が優れ、94.57%であった。また、生体アクセス性も乳濁ゲルの方が高かった。